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さざんか屋敷の黒猫

小人が鼻水を垂らしているので、スイミングはお休み。
昨日、小児科で薬をもらってきた。
プラスチックの瓶に入った、薄ピンクの液体、甘ったるく懐かしい薬の臭い。
ちょっと味見したいけど、駄目だろうか。

夫の夜勤前の昼寝を邪魔しないように、外に出る。
真っ赤な頬の小人は、ファー付きのフードを被ってる。
エスキモーの子供みたいで可愛い。

風が冷たく、空は灰の白さだ。
小人とつないだ左手だけがぬくい。
生垣のサザンカが、道路にこぼれるように散っていて、はっとする。
昔この家で、黒猫を何匹も飼ってるおばあさんがいた。
黒猫は美形ぞろいで、籠に入れられて庭で日光浴してることもあったし、外を散歩しているときもあった。

あるとき、門柱の上で黒猫が、屋根の上を見つめて身をかがめていることがあった。
私は、「ああ、あそこまで跳ぼうとしているんだな」と思った。
しかし、門柱と屋根はだいぶ離れていたので、届くかどうか心配になった。

猫も同じことを考えているのだろう。
慎重に、低く低く縮む。
金の眼で屋根の一点に狙いを定め、バネが弾けるように、

跳んだ!

猫はなんとか瓦屋根の上に登った。
「わぁ、届いた!」
思わず声が出て、恥ずかしくなってあたりを見回すと、おばあさんと目があった。
おばあさんは「ふふ」と笑って、「届いたわね」と言った。

あの人も猫が跳ぶのを見てたんだ。
それから家に帰るまで、なんだか愉快な気持ちが続いた。
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ピピネラ

Author:ピピネラ
世の中のしくみ研究家・ライフクリエイター・未来からの留学生を受け入れ。(訳:無職。子有り主婦です)
時間のある時、思い出すままに書いてるので、日付は嘘です。
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